先月、前編のレポートをお届けしましたが、今回はその続きとして『夢の島熱帯植物園さんぽ~後編』を公開させていただきます。
(まだ前編をご覧になっていない方は、もしよろしかったら、先にこちらを覗いてみて下さいね)
ユーカリの森を抜けて、道ばたの植物を観察しながら、編集部のふたりが東京都江東区夢の島にある『熱帯植物館』を目指したのは、2月のとある朝のこと。
前庭広場でオリーブの木を見上げたり、ハーブ園の可愛い植物たちと触れ合った後、私たちはいよいよ、熱帯の花が咲き乱れる大温室の扉を、わくわくしながら開けたのでした。
扉の向こうの世界は、まるで熱帯雨林の森の中のよう。 熱帯植物のつやつやした緑の葉や、赤やオレンジの花々のくっきりとした彩りが、色鮮やかに目に飛び込んできました。
『夢の島熱帯植物館』の大ドームは、3つのエリアに分かれていて、1000種を越える熱帯植物に会うことができます。
温室の中は、ごみ処分場からのパイブを通じて供給されている温水で、常にぽかぽかと温められていて、まだ風の冷たい季節でもこんなふうに、南国に咲くたくさんの花々を間近で観察することが出来るのです。
巨大なヤシの生い茂る、天井の高いドームの中で、私たちがきょろきょろしていると、目の前に可愛い椿が咲いているのを見つけました。
この花の名は、金花茶(きんかちゃ)。
椿には珍しく黄色の花弁を持ち、1965年に中国で発見された当時は、『幻の黄色い椿』と呼ばれ、国外への持ち出しが制限されたのだとか。
日本には、1980年代になってようやくやってきたのだそうです。
ファー・イースト・フラワーエッセンスには、赤い藪椿から作られたボトルがあります。
ヤブツバキのフラワーエッセンスは、内なる母性や女性性を高め、自らの肉体を愛し、充実したパートナシップを結ぶことを助けてくれます。
金花茶と藪椿は近縁種ですが、花弁の色も花の雰囲気も、植物と人との関りや歴史も違っているので、その質の中にはおそらく、何かしらの共通点がありながらも、主要なテーマは互いに違っているのかもしれません。
そんなふうに、実際に目の前で咲き誇る花のオーラに、肉体を使わずにそっと触れながら、フラワーエッセンス的視点でさまざまな植物を眺めてみるのも、とても楽しいひとときなのです。
次に私たちの目を引いたのは、アオイ科らしい女性的な雰囲気の、可憐な赤い花。
蕾の時は上を向いていたのに、花が開くにつれて、しんなり首を項垂れるように下を向いてしまう、この恥ずかしがり屋さんは、大輪姫芙蓉(たいりんひめふよう)。
さらには、満開時でも十分に開かずに、そのまま花を終えてしまう特性があり、英名のスリーピングハイビスカスは、そのまるで眠り姫のような姿を見て、付けられた名前なのでした。
思わずその顔を覗き込んで「貴女の綺麗な姿をもっと見せて」と思わずお願いしたくなるような、憂いを秘めた控えめな様子が、なんだかとても芙蓉らしく感じて・・・。
私たちは花の傍をなかなか立ち去り難く、その満開の姫芙蓉にしばらく寄り添っていたのでした。
ファー・イースト・フラワーエッセンスのフヨウは、ひらひらと薄い花びらをした桃色の芙蓉からつくられています。
このエッセンスは、ハートの傷を癒しながら、恐れずに心を開くことをサポートします。
自己愛を高めることで、再び慈愛を持って世界を愛することを助けてくれます。
女性的な美しさや優しさを育みながら、傷つきやすい繊細な人をもう一度、愛し愛される幸福な日々へとそっと送り出してくれるのです。
まるでまだ蕾であるかのように花を閉じて、しんなりと下を向いた赤い姫芙蓉と、繊細なピンクの芙蓉との共通点は、その質の中に少なからずありそうな気がするねと話しながら、私たちはゆっくりと、温室を先に進んでゆきました。
大温室には、珍しい花がいくつも咲いていました。
夜にひっそりと、たった一晩だけ咲くという、甘い香りの下がり花。
そんな幻の花の、花言葉は『幸運が訪れる』。
こちらはアメリカネムノキの、マメ科らしい可愛らしい葉。
葉はころりとした形をしていますが、木自体は枝を広げて、とても大きく成長します。
ジェーンベルエッセンスのモンキーポッドツリーは、このアメリカネムノキの花から作られていますが、
内なる男性性でしっかりと守護され、安全に育まれる感覚を持てるようにサポートしてくれます。
「この調子でのんびりしていると、あっという間に日が暮れちゃうね」
私たちは後ろ髪を引かれつつも、少し急ぎ足で大ドームを抜け、次の展示室へと進むことにしました。
食虫植物温室では、そのふしぎな姿に魅入られそうになりながら、鉢植えで育てられている9種の中から、エッセンスの原料植物を探します。
これは、ホメオオパシーのレメディであるドロセラの原料にもなっている、モウセンゴケ。
英名はサンデュー。
皆さまご存じの通り、この植物は葉に多数の腺毛を生やし、栄養源として虫を捕らえる一方で、地中からも水分を吸い、光合成も行って花を咲かせるという、ユニークな特性を持っています。
PHIエッセンスのサンデューは、虫を絡めとる罠のように、私たちを捕らえる古いネガティブなパターンから脱することを、そしてカルマから自由になること助けてくれます。
同時にホメオパシーレメディのドロセラも、結核マヤズムという先祖の持つ古いパータンを強固に持っている人の体質改善にも役立つものなので、この食虫植物は、そのちいさく奇妙な姿の中に、私たちを深いレベルで解放するような、大きな力を秘めているのです。
私たちはこういった植物を見ると、無意識レベルでわさわさと揺り動かされ、カルマのレベルで深い変化を促されるのを感じるので、むやみに恐れたり嫌悪してしまうことも多いのですが、じっと静かに観察してみると、彼らは意外と美しい姿をしているのだと気付くことがあります。
PHIエッセンスのプロデューサーのコルテ氏は、「カルマは愛と理解をもって開放するものだ」と語っています。
食虫植物の個性的な佇まいと生き方に、新鮮な驚きとその美しさを見い出した時、私たちは自身の心の奥底で、長い間複雑に絡まりついた理不尽な戒めから、自由になるきっかけを見い出すことが出来るのかもしれません。
それもおそらくは、私たちの成長のための糧であり、魂の栄養であり、神聖なる神の御業なのだ、と。
さて、食虫植物の鉢がずらりと並ぶ、個性あふれる展示室を後にして、私たちは『オーストラリア庭園』へと向かいました。
ここは、オーストラリアンブッシュフラワーエッセンスの原料になっている植物と、その近縁種のいくつかを観察できる場所。
私たちエッセンス仲間にとって、とても貴重な庭園のひとつです。
ちょうどこの日、私たちはクロウェアの花に会うことができました。
リトルプレス『ComingHome』のロゴにも描かれている、ピンク色の小さな5弁花です。
咲いているクロウェアに会うのは初めてだったのですが、想像通りの可愛らしさ。
縁ある花の満開時に会えたことが嬉しくて、思わず庭園で小躍りしそうになりました。
オーストラリアンブッシュフラワーエッセンスのクロウェアは、とくに原因が思い当たらないのに、常に不安や恐れを感じているような人が、感情を統合し、安心感と落ち着きを取り戻すことを助けてくれます。
ぽかぽかの大温室の扉を閉めて、夢の島の温水でぬくぬくと温められた、熱帯植物エリアを抜けた後。
私たちはまたコートの襟を掻き合わせて、冬の外気に触れて徐々に冷えはじめた手を、そっとポケットにしまいこんで、再び新木場駅へ向かったのです。
そうしてしばらく歩いた後、風の吹きつけるホームに立つ前に、駅前のカフェで暖をとりながら、夢の島と言えど冬の植物観察はハードだね、と語り合いました。
でもやっぱり、季節を問わず、植物に会いにゆくことはやめられないね、とも。
『なぜならば、フラワーエッセンスの植物たちと出会い、識り、感じることが、私たちの喜びであり、学びであり、魂の栄養だからなのだろうなぁ』
冬の夕暮れのホームで、ふたり並んで電車を待ちながら、私はなんとなくそう思ったのでした。
季節は4月。
今はまさに、春の盛り。
植物園だけではなく、公園や道ばたも、明るい色彩の春の花たちでいっぱい。
このお散歩の楽しい季節に、季節の花たちとぜひ、たくさん、たくさん、遊んでくださいね。
そして、フラワーエッセンスの原料となる植物たちを見つけたら、そのオーラに、肉体を使わずにそっと触れてみて下さい。
きっと、その神聖なる木々と、愛らしい野花たちと、ますます仲良しになれると思います。
それでは皆さま、どうぞ素敵な春をお過ごしくださいね。
写真 編集部まるやま&あさの
案内人(文) 編集部あさの
『Coming Home』創刊号~第3号までは、小さな冊子で発行しております。
ネイチャーワールドさん、他でご購入いただけます。
どうぞお手に取ってご覧になってくださいね。
(いずれも税込600円)
現在、第4号・特集「フラワーエッセンスと薬用植物」をWEB(本サイト)にて無料公開中です。