「Coming Home」メイキングエピソード

花のいのちが光となりて~表紙に纏わる物語②~


 『花のいのちが光となりて きよらかなる水へと その全き愛を捧げる』

 

うつくしき

 

うつくしき

 

その、花のいのちよ

 

 

フラワーエッセンスをご存じでしょうか。

 

フラワーエッセンスは、19世紀初頭にイギリスのエドワード・バッチ博士が開発し、世界中のさまざまな国で使われ、広まっている自然療法で、植物の癒しのエネルギーを水に転写したものです。

 

その花を使った療法は、私たちのこころ、からだ、たましいを結び、整えて、本来の力を呼び戻し、活性化させてくれます。

 

また、私たちの精神成長を促し、より良い人生を送るサポートをしてくれます。

 

とても安全性が高く、赤ちゃんからご高齢の方、動物や植物にも使うことができるツールでもあります。

 

そのつくり方は、とてもシンプルです。

 

創始者のバッチ博士が行っていたクラシックな手法としては、「太陽法」と「煮沸法」のふたつがあるのですが、良く知られている「太陽法」の工程について、簡単にご紹介します。

 

野生の、もしくは自然栽培された植物の花を、手を触れないようにやさしく摘み、湧き水を入れたガラスボウルに花びらを浮かべて、太陽光の下に数時間置くと、花のエネルギーが水に転写されます。

 

花びらを取りのぞいた水に、保存用のブランデーを同量加えてマザーエッセンスが完成します。

 

それを希釈したものが、市販されているフラワーエッセンスのストックボトルになります。

 

 

 

Coming Home」創刊号の表紙に飾られてるのは、「太陽法」によってファー・イースト・フラワーエッセンスが作られるさま、その過程の一場面です。

 

白と紫の光をもつ、小さくて愛らしい壺菫の花が、ガラスボウルの中の水の上に、たくさん浮かんでいる光景。

 

ボウルには、天上の光が転写されているという証のような、命の存在を感じさせる美しい気泡。

 

そして、天と地を結ぶ幸福のシンボル、色あざやかな虹がくっきりと現れています。

 

 とてもとても、美しい写真です。

(表紙写真提供 東昭史 カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー)

 

 

世界のフラワーエッセンスでも、太陽法や煮沸法の写真を公開しているブランドがいくつかありますが、ファー・イースト・フラワーエッセンスではガイドブックに、先に発売された21種類すべての太陽法の写真が掲載されています。 

 

今回、「Coming Home」創刊号に特別にお借りすることができたのは、まだ書籍には掲載されていない、とても貴重な一枚。

リサーチエッセンスである「ツボスミレ」の太陽法写真になります。

 

「ツボスミレ」の質は現在調査中で、販売を経て、広くケースを集めている段階です。

ですので、まだその質は確定されておりませんが、丁寧な植物研究や、他ブランドの近縁種のエッセンスの性質を参考にするなどの、いくつかの方法によって、大まかな予測が立てられているところです。

 

 

ところで世界のブランドには、すでに菫の仲間たちのエッセンスがいくつか発売されていて、そのボトルは多くの人に愛されてきました。

中でも代表的なものが、FESフラワーエッセンスによる「バイオレット」のエッセンスです。

 

「バイオレット」のキーワードは、「恥ずかしがりや、デリケート、内気、孤独」。

内気な人が、その繊細さを失うことなく、心を開いて他者と交流できるよう、そっと後押しをしてくれるエッセンスです。

 

バイオレットの花の、ほっそりとした首を地面に向けて、俯いたやさしげな風情。容易に触れがたく、どことなく高貴さをも感じさせる、紫色。

外側から見たときにもきっと、その花のエネルギーが非常にデリケートであることを、おそらくは感じ取ることができるのではないでしょうか。

 

 

私が「バイオレット」のエッセンスを使ったときの体験を、少しお話ししたいと思います。

雫を口にした途端、「清らかな意識で生きられるのだろうか」と、そんな言葉が浮かびました。

「どんな状況や環境でも、繊細さや純粋さを持ったまま生きる」というのはある種の魂にとって、時に大きなチャレンジとなるのでは、と思いました。

 

やがて、心細いような感情が湧いてきました。

菫の花がきゅっと首をすぼめて、日陰で項垂れている姿が見えました。

一度も花開かずに、蕾のまま一生を終えてしまいたい、というような気持ち。

吹き抜ける冷たい風に首をすぼめて、春の喜びをまったく知らずに、命耐えてしまいたいというような、そんな厳しく、寂しいイメージが浮かんだのです。

できるだけ隠れて暮らしたい、私に手を触れないでほしいと、デリケートな花びらがふるふるっと震えて、小さな声でそう囁いている光景でした。

 

けれどもうひとくち、ぽとりと、そのエッセンスの雫をとったとき。

どんな環境でも生きられる、という強い信念のようなものが体の奥から立ち上がり、震えていた菫の細い首が、スッと力強く持ち上がりました。

熱い、生きる情熱のようなものが、下位チャクラからふつふつと湧き出てくるのを感じました。

 

そして素朴で可愛い野花のような純粋な在り方と、それと同時に、尊い紫色の衣をまとい暮らしているような気高い意識とを、保てるのだと気づいたのです。それらを、菫の茎のような細い手足でしっかりと抱きしめたまま、土の傍で逞しく生きられるのだと。

花ひらくバイオレットのように、私たちはやさしく清らかな意識のまま、力強く生きることを、今この瞬間きっと選択できるのだと、そう感じたのです。

 

「地の菫の気持ち」から、「天の菫の意識」へと、私は虹の階段を、バイオレットのエッセンスをとりながら、鮮やかに駆け上がってゆきました。

そして、私はその両方を体験した後、土の上に静かに立つ、紫色の瞳の無垢な少女であるような、そんな気持ちになったのです。

菫の天と地の要素が、私の中でやさしく溶け合い、そしてこの先も、しっかりとハートに在り続けてゆくということを知ったのです。

 

フラワーエッセンスがつくられるとき、ボウルの中には、時に、天と地を結ぶ虹の橋がかかります。

そこには、「尊い花のいのち」そのものがあり、そして高く進化した存在としての「花の意識」そのものが宿るのではないかと、私はそう思うのです。

 

 

フラワーエッセンスをつくる過程に、思いを馳せてみたとき。

もしくは実際に作られるさまを、その場でもしくは映像や写真で見ることができたとき。

 

私たちは、その美しさに思わず胸をうたれることがあります。

おそらく多くの人が、ボウルに浮かぶ花の様子から、その光の宿る水の美しさから、植物の無償の愛を、感じとることができるのではないでしょうか。

そしてその一瞬、とても敬虔な気持ちになるのではないかと思うのです。

 

 

Coming Home」の創刊号。その太陽法の表紙写真に、ご興味を持ってくださった皆さまへ。

 

ひとつ、私たちからちっちゃな提案があります。

 

今日、フラワーエッセンスの瓶を開けたら、その花があたたかな太陽の下で、ガラスボウルに浮かんでいるさまを、どうぞ思い浮かべてみてください。

そして、いつもとちょっと違う新鮮なきもちで、その雫を飲んでみませんか。

 

あのちいさな遮光瓶を大切に手にとって、清らかな水の中から、硝子のスポイトをそっと引き上げてみてください。

 

そして、その日に楽しんでいるティーカップの中へ、ぽた、ぽたと。

まるでやさしい贈り物をしているような気持ちで、花の雫を自分自身に贈ってあげてください。

 

花々に降り注ぐ太陽のあたたかさや、植物に齎されるゆたかな滋養を、大切な存在である自らに、いまふんだんに与えているのだということを、しっかりと感じながら。

 

その甘やかな金色の飲み物を、身体とこころ、魂へと、ゆっくりと浸透させてゆくそのとき。

 

その静かなる祈りに、自然界は必ず応えてくれることでしょう。

 

私たちが花の雫をとり、植物という種が辿り着いた進化の奥深さに手を引かれてゆくそのとき。

 

その真摯な呼びかけに、自然界は必ず応えてくれることでしょう。

 

ひとつ、またひとつと。

 

植物のもつ神秘の扉を、次々と目の前に開いて、私たちを植物の全き世界へと、あたたかく迎え入れてくれることでしょう。

 

もうすぐ「Coming Home」が羽を広げて飛び立つ、夏至の日がやってきます。

ボウルの中に虹を抱いていた「ツボスミレ」のような、可憐なすみれ色の毎日を、どうぞお過ごしください。

 

それでは、創刊号でお会いしましょう。

 

     2021年6月16日

 

Coming Home 編集部 浅野典子

フラワーエッセンスのリトルプレス

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